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10Gbit Ether 伝送装置
日本全国にある数台のパラボラアンテナで受信した星からの電波をAD変換し、そのデータを三鷹の国立天文台本部にあるデータ処理装置に集約して処理しています。
10Gbit Ether 伝送装置

特徴

本装置は、科学計測データなどの広帯域、かつ連続的な観測データを10ギガビットイーサネット(10GbE)網を経由して遠隔地に伝送するための装置です。
高速なAD変換装置等に対応した専用のデータ入力ポートから入力された連続的な観測データを、汎用IPプロトコルであるUDPパケット化した上で汎用イーサネットフレームに収容し、10GbEポートから対向装置宛てに出力します。
対向装置では、10GbEポートに入力されたフレームから、観測データを取り出し、専用の処理装置に対応した出力ポートから連続的な観測データとして出力します。

製品導入メリット

科学計測においては、高速な現象を観測するために、広帯域なアナログ信号をAD変換装置でデジタル化し、記録・処理することがありますが、信号の発生する場所と、記録・処理するための装置が離れていることがあります。AD変換装置は観測対象となる実験装置の直近にある必要がありますが、記録・処理は別な部屋、若しくは建物にある処理センターで行なうような場合です。処理センターが遠隔の異なる拠点にあることもあります。
このような場合には、高速なデータを光ファイバ等で伝送する必要がありますが、独自な伝送方式を利用した装置では観測拠点から処理拠点まで、専用の光ファイバを張る必要があり多くのコストが必要となりますが、本装置を利用することによって既設のイーサネットLANを経由して伝送することができますので大幅なコストを削減することができます。

利用例

国立天文台で実施されている、光結合VLBI(超長基線電波間干渉計)という電波望遠鏡システムの観測においては、日本全国にある数台のパラボラアンテナで受信した星からの電波をAD変換し、そのデータを三鷹の国立天文台本部にあるデータ処理装置に集約して処理しています。伝送する観測データは、8Gbpsという高速ですが、本装置を利用して10GbEのプロトコルに変換することによって、最新の学術ネットワークであるSINE3やNICTの提供する実験用ネットワークであるJGN2+を経由して伝送することができ、新たな専用回線を確保することなしにシステムを構築することが可能となりました。

システム構成

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